2008年4月21日月曜日

改修工事時の地盤調査

地盤調査は新築工事計画時には実施することが、かなり普及してきましたが、改修工事では殆ど行われないようです。今般、柏崎市S様邸の改修工事に当たり、地盤調査を実施しました。昨年の中越沖地震で被害に遭われ、建物の水平復旧工事も同時に実施するに当たり、「地盤状況も確認すべき」との判断から実施しました。結果は盛り土部が緩いようでしたので、鋼管杭を併用する工法を採用しました。又アンカーボルトの補強も実施しました。鋼管杭の根捲きには生コン(21-21-25)を使用しました。最大130㎜の修正でしたので、基礎補修には鉄筋補強も組み入れました。地震復旧時の改修工事には事前に地盤調査を実施するケースが多いようですが、平時の改修工事でも実施する事で、補強箇所の検討にも役立つと考えます。

2008年4月19日土曜日

沈下修正工事について

柏崎市S様邸の鋼管杭工事を併用した建物水平工事が終了し、大工・設備工事業者の方々へ引き継ぎました。お陰様で事故もなく、工程どおりに弊社の担当工事を完了する事ができました。近年当県でも、水平工事の際、鋼管杭を基礎下に打ち込む現場をよく見かけるようになりましたが、地盤・建物条件によって鋼管杭径・充填剤も異なるはずですが、殆ど同一仕様材を採用しています。特に県外業者・にわか業者に多いようです。刈羽・柏崎地区は県内でも軟弱地盤地域が多い大変な地区です。中途半端な知識・経験では、工事したにもかかわらず二次災害を引き起こしかねません。業者の説明不足からくる苦情の相談も大変多くなりました。S様邸については、事前説明・途中経過・作業の変更などを、都度行いましたので、苦情を頂くことも特にありませんでした。あとは工事全体が終了し、御引渡し時の完了検査です。しかし我々の工事成果の確認はもうしばらく先です。

2008年4月11日金曜日

木杭を採用

住宅建設に携わる業者の心得として重要なことは、まず近隣に対する心配りです。「挨拶」はもとより「現場の整理・整頓・清掃」は言うまでもありません。地盤改良工法の選択に当たり重機の振動・騒音も検討要件の一つです。改良工事の場合「現場に乗り込む最初の業者である」ケースが殆どです。近隣にご迷惑をお掛けすると、「最後まで尾を引く」場合があります。木杭を打設する場合、昔はバックホーを使用したり、リーダー付き重機でモンケンを落下させたりしました。地盤が軟弱な原因の一つに「地盤」に水分が多く含まれて事があります。ですから重機が動けば揺れます。近隣からクレームを頂いた事がよくありました。今般 お客様・工務店さんのご理解が得られましたので、費用は掛りましたが、杭打機を採用しました。お陰様で近隣からの苦情は全くありませんでした。さて「木杭」を採用する場合は「杭」が常水面下にあることです。又松材は「カラマツ」が適当です。「支持力算定」する為には、「モンケン」を落下させねばなりませんが、今回は振動対策上取りやめ「圧入力」で相対的に品質管理を行いました。又、「保証書の発行は出来ない旨」の了解を事前に頂きました。「木杭工法」でも小生が知る限り、保証書を発行している保証会社もありますが、「業者も地域も極めて限定」されており、「支持力算定方法」も確固たる「計算式」がないようです。地盤改良の成果は結果として、「不同沈下」を起こさない事です。「地盤改良の考え方」は次にします。

2008年4月4日金曜日

地盤改良の知識

昨年発生した中越沖地震の復旧・復興工事が本格的に始まりました。特に戸建て住宅の建て替え・修理工事は雪解けを待てない被災者の切実な要請から、一足先にあちこちで基礎工事・建て方工事が始まりました。現地の住宅地盤は総じて設計荷重を満足できない、いわゆる軟弱地盤で被覆され、設計者は大変悩む地域の一つです。ある住宅営業の方からこんな相談を受けました。「地盤が大変悪いので、地盤改良業者から≪適当な改良方法が見当たらない≫との回答を受け大変困っていますが、適切な工法はないですか?」 地盤改良業者の多くは、セメント系固化材を使用する工法か小口径鋼管杭工法でもせいぜい1~2工法程度の知識しか持ち合わせておりませんし、最近よく目にする自然に優しい工法は 「まず保証ありき 」で「 実験データ不足及び解析資料不足 」から首をかしげてしまう事もあります。どの業界でも「 本物 」が求められている様です。

2008年4月2日水曜日

これからの地盤改良工法について

戸建住宅にも地盤調査が必須との認識がここ数年でようやく定着してきたようですが、スウエーデン式サウンディング試験・表面波探査法等の調査方法が採用されています。地盤改良工法はセメント系固化材を使用する表層改良・柱状改良、他小口径鋼管杭を使用する工法が採用されています。外にも発泡スチロール・採石・石灰等を使用する工法等がありますが、いずれにせよ採用条件の第一要件は費用です。しかしこれからは「費用と環境」双方満足させられる工法が、採用条件として求められているのではないでしょうか?しかし地盤状況・設計条件・施工条件次第では、満足させられる施工方法を提案出来ないこともあります。地盤保証が付保される工法か否かも、時には提案方法の足かせとなる場合があります。いずれにせよ「地盤調査・地盤改良の設計・施工業務にもようやく高度な知識・経験が求められる時代」に突入した感ありです。新潟県では4年前の中越地震、昨年の中越沖地震と立て続けに地震被害を被りました。その都度 住宅の復旧・復興工事に関わる要請を受け、100棟程 改修工事を手掛ける経験をさせて頂きました。特に地震の爪痕は2~3年では解消できるものではありません。特に「心の爪痕はその人の一生涯だ」とも思いながら作業に従事する貴重な経験もありました。
これからは、それらの経験も踏まえた小生の「住宅地盤に関する雑感」を、ブログ上にも語ることにしました。